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「魔女の泉」無印感想

ここしばらく病床に伏せっておりました。

 

かといって別に熱があるわけでもなく意識ははっきりしているので、どうにも手持無沙汰でベッドでうずくまりながらダラダラとゲームをしていました。これぞ「幸せ」ですよね。

 

静養のお供に選んだのはスマホゲームの「魔女の泉」。たぶんApple Storeで250円くらいで買えたはず。インディーズゲームです。

 

遠い昔に一度クリアしたことがあるんだけど、なにせ遠い昔だから、おぼろげながら記憶はあるもののほぼ忘れており。新鮮な気持ちで楽しめました。

 

どっこいしょと重い腰を持ち上げブログを立ち上げるくらいの良ゲーなので、さっそくプレイした感想をだらだらと書いていきたいと思います。ネタバレしかないので注意

 

鬼畜な100日育成システム

このゲームでわれわれプレイヤーは、へっぽこ魔女を100日で立派な魔法使いに育てなければいけない。なぜならこの世界では魔女は人間から「狩られる」存在だからである。狩られて「殺られる」ことを防ぐには、襲ってくる人間を返り討ちにできるくらい強くならなければならない。かくしてへっぽこ魔女っ娘を立派な魔法使いにする物語がスタートする。

 

立派な魔法使いになるのは大変である。岩を殴り、腕立て伏せをし、ウサギのフンを血眼になって収拾しなければいけない。大忙しである。その合間に正義感の塊みたいなイケメンの相手をしたり、へなちょこ勇士(中学生)をあしらったりしなきゃいけなかったりする。とにかくこなさなければいけないタスクが多い。

 

そして一つなにか行動する度にきっちり時間が経過する。しかも定期的に寝ないと魔女は疲弊し、本来の能力が発揮されなくなってしまう。つまり寝る間を惜しんで修行していると現実のように状態異常:ゾンビ となってしまうのだ。だから寝なければならない。しかもこの魔女っ娘なんと9時間も寝るのだ。小学生か。

 

そんなこんなで、我々プレイヤーは魔女っ娘の体力管理と時間管理に追われながら100日を過ごすことを余儀なくされる。ちなみに修行をしないで100日間寝続けることも可能であり、専用のエンディングスチルも用意されている。私が魔女だったら間違いなくこのエンディングを迎えている自信がある。

独特な日本語翻訳と味わい深いストーリー

このゲームの翻訳はどこかおかしい。でも改めて考えてみると別におかしくないような気もする。うーん、でもちょっとやっぱりおかしいよな。確実におかしいんだけど言葉で説明しろって言われると難しい。そんな感じ。

 

そしてストーリーはめちゃめちゃに面白い。王道っちゃ王道なんだけど、王道は面白いからこそ王道になのである。ビバ・王道!!

 

エンディングはゲーム中の行動でいくつか分岐する。大まかに言えば良い魔女・悪い魔女ルート+恋人がいるかいないか で変化がある。この中だと良い魔女・恋人いるルートがトゥルーエンドであり、このエンドを迎えた者のみがエンディング後の世界を探検できる。そのためプレイヤーは人間に優しくし、命を狙ってくる未来の恋人の肩に寄りかかって昼寝をしたりする必要がある。

 

主人公パイベリーとブサイク鳥の魅力

主人公パイベリーはなかなか壮絶な過去を背負ってはいるが、イチゴが好きだから自分の名前をパイベリーにする、命を狙ってきた勇士の横で寝るなど、お気楽とポジティブを具現化したようなキャラクターである。そんなパイベリーの明るい性格が、ポップでキュートなイラストや雰囲気と相まってこのゲームを一層魅力的にしている。

 

ブラックジョーは口を開けば十割嫌味と皮肉みたいな憎たらしいブサイク鳥だが、実はパイベリーのことをとても大切に思っていて、ぶつくさ言いながらも決してパイベリーのそばを離れることはなく見守っている。二人の間で交わされる会話はまたもや十割嫌味の応酬だが、喧嘩するほどなんとやらというやつで、その仲良しっぷりは見ていてとても微笑ましい。

 

ちなみにブラックジョーはさんざんブサイク、ブサイクといじられてはいるがそれはとある人物から「ブサイクの魔法」をかけられているからであり、主人の危機の際には魔法が解けかっこいい鳥の姿に変わるというおいしい設定を与えられている。

 

古き良きRPGシステム

モンスターを倒して、素材を集めてステータスを強化して、魔法の組み合わせを自分で考え、ペット(戦闘を支援してくれる)を集め、今まで倒せなかった敵が倒せて…と、「少しずつ強くなる気持ち良さ」がしっかり味わえる点が非常に良い。夢中でエンディングまで駆け抜けた。

 

総評:遊んでみて損は無し。とてもおすすめ

 

RPGが好きな人ならほぼ確実に楽しめるのではないか。敷居の低いカジュアルなRPGだが、かといってボリューム的に薄っぺらいということは全然なく、とても満足度が高い。個人的にこれで250円は安すぎるのでは?と思うほど。こんなに良いゲームなのにあまり知られていないのが不思議だが(有料だからだろうか)、クオリティは保証する。興味を持った方は是非!