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フリーホラゲ「Eronoctosis」感想

今回はホラーゲーム『Eronoctosis』の感想と考察を書いていこうと思います。

 

このゲーム、Steamで今年の7月30日から配信されているフリーゲームなのですが、なんぞや? と言う方のために公式の説明文をペタリ。

 

これは2人協力プレイのオンラインホラーゲームです。

「ここはどこ…? あなたは誰? 私は誰?」

あなた自身を取り戻すために、あなたの心の奥深くを探検しましょう。

この狂気の領域には意義があります、逃げるために私たちは協力しなければいけません。

コンテンツ警告-18歳以上のみ。

恐ろしく、不安にさせるモンスター。ドット絵の生殖器。不吉で重苦しい雰囲気。

非対称の道具はそれぞれのプレイヤーが独自の役割を果たすことを意味します。

一人は道を照らし、一人は悪夢を消し去る能力を持ちます。

 

つまり一言でいうと、「怖い&エロいから18歳未満プレイ禁止の2人プレイ専用オンラインホラーゲーム」ということです。いろいろとすごそう…! 面白そう…!

 

ということで、幸いにも一緒にやろうと誘ってくれる神のような(そしてゲーム好きな)友達がいたので、さっそくプレイしてみました! 以下、感想と攻略のヒント、考察を書いていきます。

 

感想と攻略情報(※ややネタバレ有り)

トータルでいうと、地味にムズイです。

 

ゲームに慣れている方はそうでもないと思いますが、相方と私はお互いPCゲームの操作に不慣れで、何回も死にました(笑)。クリアまでトータルで2時間くらいはかかったかな? と思います。でもそれでもわりとサクッと遊べる部類だとは思います。

 

なんてったって、ホラーゲームらしく敵が足音も立てずに背後から忍び寄ってくる。見つけた時には時既に遅し…ということが非常に多い。死ぬと初期地点にリスポーンする仕組みなので、基本的には敵が出てくる位置やパターンを覚えて、うまく行くまで何回もトライするのみです! …ふぁいてぃん!

 

それでもむずいよ! と言う方のために攻略情報を少し。まず二つ道具があると思うので、先にどっちがどっちを持つか固定しちゃうと良いです。もちろん最初の数回は道具を交換しながら試してみてもいいと思うのですが、早めに得意な方を見つけてそれのみを担当したほうが時間のロスは少なくて済むかなと思います。

 

あとは、後半になればなるほど敵が強くなるので、最初に少し難しいルートを選択して、後の方は簡単なルートを選ぶようにすると良いです。

 

他に大事なのは、こまめにライト係の人が360度チェックすること。敵は忘れた頃にやってくるので、しつこいくらいきょろきょろすると良いと思います。特に開けた広い場所は注意! 壁際に沿って歩くと一つ死角が埋まるのでオススメです。

 

というかそもそも何したら良いかわからん…どうすればクリアなの? 詰んだ…と言う方のためにヒントを。一番最初に、四角い箱みたいな物体を池に投げ込みませんでしたか? それと同じ事を繰り返すだけです! 全部入れれば終わりです!(伝われ)その前の段階で詰んだ! と言う方は、……諦めて実況動画を見ましょう!(丸投げ)

 

さて、ゲーム中は湧いてくるモンスターに必死であまりそれ以外を堪能する余裕は無いのですが、とにかくグラフィックが綺麗なのです、このゲーム。

 

おしゃれ配色。それプラスドット絵と言うエモ要素。ゲームの風景一つ一つがすでにイラストとして完成するんじゃないかっていうくらいスタイリッシュです。個人的に一番好きなのは上の画像の待機場所。窓? から差し込む光がとても良い感じ。

 

こんな風にグラフィックはホラゲとは思えないおしゃれっぷりなので、怖さが若干中和される感じはあり、ホラゲ初心者の方でも楽しめるかと思います。怖いの苦手だけど大丈夫かな…と心配している方も、試してみる価値ありです!

 

考察(※ネタバレ有り注意)

考察の前に。このゲームは日本語訳が無いのです。なので、ゲーム中は相方と「え?? 何?? なんて書いてあるの?? ww」となりながら遊んでいました(笑)。後で他の方がアップしているYouTubeの実況動画を見て自分なりに整理したので、考えたことをちょろちょろと書いていきます。

 

まず、公式説明文に書いてある通り、おそらくこのゲームの世界はプレイヤーの精神世界です。暗く、わけのわからないモンスターが徘徊しており、狂気に満ちている。カメラ役の説明文に「悪夢を消し去る」と書いてあることから、モンスター、もしくはこの精神世界自体が悪夢なのかな? と想像できます。何となく、プレイヤーが精神的な危機に陥っていることが想像できます。

 

リスポーン地点からすぐそばに男の子の骨? が立っていますが、それがおそらくプレイヤー自身。操作できるキャラクターたちはプレイヤーの分身のようなものかな? 一人が道を照らし、一人がカメラを使って敵=悪夢を消す。

 

カメラで撮影することで敵を殺すことが出来る、というのは面白いな~と思いました。心理学では自分の感情を正しく認知し名前を付けることを「ラベリング」と言い、メンタルケアに有効とされます。例えば、自分が怒りの感情を感じていたとして、その感情から目を逸らし続けると逆に怒りが増しますが、「私は今怒りを感じているな。」と人ごとのように認知すると不思議と気持ちが落ち着く。そういうことは往々にしてあるようです。つまりこのゲームでモンスターの写真を撮る=自分の感情、つまり恐怖を、「倒す/目を背ける」のではなく「正しく認識する、ラベリングする」。そのことで結果的に恐怖が消えるということを表しているのかなと思いました。

 

ちなみに、Steamの実績を確認すると「モンスターに倒される」ことを "Woken Up" つまり起こされる、と表現していることがわかります。おそらく、この世界は悪夢で、モンスターに倒される=精神世界の問題を解決しないまま現実の私の目が覚める、悪夢にうなされて目が覚める、ということなのでしょう。

 

あと、モンスターに倒されると画面が "HIDE YOURSELF. HIDE YOUR NEED." という文字でいっぱいになります。あなた自身を隠せ、あなた自身が必要としているものを隠せ。と言う意味ですが、「倒されないためには隠れなさい。あなたの望みがバレないようにしなさい。」という警告なのかなあと思います。

 

プレイヤーが精神世界に散らばった箱(=正気?生気?)を全て回収し、骨の前にある泉に投げ込むと、骨が男の子の姿となり、ムービーが流れます。その時に流れる文章がこちら。

 

ONCE AGAIN, I AM WHOLE.

再び、私は完全体となった。

 

EVERY NIGHT, THE TERRORS CART MY FRESH AWAY... INTO THE DARKNESS.

毎晩、恐怖は私の生き生きとした気持ちを闇に運んで行った。(=恐怖が私の生気を奪った?)

 

BUT YOU HAVE RETURNED ME TO MYSELF. THANK YOU.

だけど、あなたが私を取り戻してくれた。ありがとう。

 

COME, LET US FREE INTO THE LIGHT. TOGETHER.

おいで、一緒に光の中で自由になろう。

 

 

My Fresh=箱に入った泉の液体かな。このムービーを見終わったらクリアとなり、待機場所に戻ります。

 

最後にタイトルについて。まずサブタイトルは "Put Yourself Together" ですが日本語訳すると「あなたを組み立てましょう/集めましょう」と言う意味なので、箱を集めて男の子を完全体にする、というゲームの趣旨が端的に表れていますね。

 

タイトルの "Eronoctosis" は、検索してもヒットしないので造語だと思われます。分解すると、ero / noct / osisかな。eroはerotic=性愛の。noctは夜を表す言葉です。ノクターン / 夜想曲(nocturn)のnoct。osisは病名につく接尾語。なので直訳すると「夜の性愛の病気」。情緒もへったくれも無いのでそれっぽく訳すると「性夜病」になるでしょうか。

 

タイトルの造語の意味と、主人公が年頃の少年であることを考えると、思春期に差し掛かって異性や恋人の事、自分の性について意識し恐怖を感じるようになり、それが原因で悪夢にうなされるようになったのかも…?

 

まとめ

総合的な評価としては、

 

✓地味に怖い! そして、ちゃんと手応えがある!

 

✓割とサクッと終わる(長くて数時間)

 

✓グラフィックが綺麗でホラー初心者にもおすすめ

 

と言う感じでした。

 

内容自体は気軽にやれるボリュームなうえに、何より無料なので、ぜひ友達を誘って遊んでみてはどうでしょうか?